2019年法改正:改正建築士法で受験要件が緩和!実務経験なしで受験できる!?

H30年12月8日、参議院本会議において「建築士法の一部を改正する法律案(平成30年法律第93号)が全会一致で可決されました。

国土交通省のホームページをみても情報が書かれていないため、提出法案に関しては参議院・衆議院のホームページで確認することができました。

法律の施行は平成32年(2020年)度になりそうですね…

受験を考えられている方は、今後の動向に注目ですね(*^▽^*)

【法案の詳細について】

建築士法の一部を改正する法律案(概要)

新旧対照表(建築士法の一部を改正する法律案)

【新聞記事】

新聞記事H30.12.10(建設通信)

新聞記事H30.12.11(建設工業、建設産業、建通)

 

平成30年12月20日の国土交通省の報道発表で平成30年一級建築士試験の合格者に関する資料もあったので追記しておきます。受験を考えられている方は参考にして下さい(*^^)v

報道発表資料(H30年12月20日)

 

2019年法改正:バリアフリー法

 訪日外国人旅行者の増加と2020年の東京五輪・パラリンピック開催を背景に、バリアフリーに関する法令や基準の見直しが加速しています。ここでは平成31年(2019年)9月1日に施行される「改正バリアフリー法(高齢者、障碍者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」に関して書きたいと思います。

※法改正などで今後変更となる可能性が十分あります。ご注意下さい!!

改正内容のうち、ホテル旅館におけるバリアフリー客室の基準見直しについて記事にします。

国土交通省が行っているパブリックコメントによると、

2,000㎡以上のホテル又は旅館を建築する場合に、建築する客室の総数が50以上のときは、車椅子使用者用客室を当該客室総数の100分の1以上設けなければならないとする。(令第15条第1項関係)

ホテル又は旅館のバリアフリー客室基準等に関する対応方針(案)

となっており、現行の施行令第15条第1項(ホテル又は旅館の客室)では、車椅子使用者が円滑に利用できる客室を、客室総数が50以上の場合は1室以上設けなければならないとされており、100室でも300室でも1以上設ければよいこととなっておりました。しかし、今回の改正により1%となることから、50~100室であれば1室以上、300室であれば3室以上となることが考えられます。

国土交通省では、ホテル又は旅館のバリアフリー客室基準の見直しに関する検討会を設置し、これまで4回にわたり検討してきたようです。

詳しくはこちらhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000094.html

第3回の議事を確認すると、障害者団体からは1%で良いのか、もっと引き上げるべきではないかと意見があったようですが、バリアフリー室の稼働率の低さが課題とされていたようです。今後利用者が増えてくると、法律も変わってくるかもしれませんね…(*‘ω‘ *)

 

〈参考資料〉

高齢者、障がい者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(平成28年度版)の改正概要

建築物のバリアフリー化に係る制度の概要(国土交通省より)

報道発表(平成30年2月9日)

報道発表(平成30年2月9日)

 

平成31年3月29日報道発表より

「ホテル又は旅館における高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(追補版)」が公表されましたので、追記いたします。

今回のガイドラインでは、主に以下の項目について記載してあります。

①車椅子使用者用客室設置数の基準見直しの反映

②多様なニーズや宿泊施設の特徴に対応した客室モデルのバリエーションの追加

③各客室に共通する整備及びソフト面の工夫、共用部分に関する配慮事項の追加

④新築・改修・ホテル・旅館・水廻りの構成等の各特徴に応じた、多様な優良事例の追加

ホテル又は旅館における高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(追補版)概要

報道発表(平成31年3月29日)

 

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました(*^_^*)

 

2019年法改正:建築物省エネ法

2019年2月15日政府は、建築物省エネ法の改正案を閣議決定し、国会に提出しました。

報道発表(H31年2月15日)

改正案の柱は、

(1)省エネ基準の適合義務対象に中規模建築物を加える

⇒延面積の下限を2000㎡から300㎡に見直す。

(2)小規模建築物・住宅の設計時に、建築士に対して省エネ基準への適合可否など建築主への説明義務を課す

⇒小規模(延べ面積300㎡未満想定の)住宅・建築物の新築等の設計の際に設計者(建築士)から建築主への省エネ性能に関する説明を義務付けることにより、省エネ基準への適合を推進する。

(3)大手ハウスメーカーなどに住宅トップランナー制度の全面展開

⇒建売戸建住宅を供給する大手住宅事業者に加え、注文住宅・賃貸アパートを共有する大手住宅事業者(大手ハウスメーカー)を対象に、トップランナー基準(省エネ基準を上回る基準)に適合する住宅を供給する責務を果たし、国による勧告・命令等により実効性を担保する。

の3点です。

その前に、そもそも「省エネ」とは??という方のために簡単に説明します。

「省エネ」とは「省エネルギー」の略です。石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことをいいます。石油や石炭などの化石燃料を燃焼することでエネルギーを得ることができますが、地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出しています。地球温暖化にストップをかけるためにも、一人ひとりが問題意識を持ち、省エネを実行することが大切です。一人では効果が少ないように思えますが、全世帯で省エネすれば大きな成果が得られます。

今、政府は住宅の質の三大要素の一つである「省エネルギー性能」に力を入れています。住宅の質三大要素とは「耐震」「省エネ」「長持ち」で、地震大国である日本では、まず耐震性能から義務化が行われ、これまで大地震が発生して建物に甚大な被害が出るごとに基準強化されてきました。耐震の次に政府が取り掛かかっているのが「省エネ」なのです。

改正案は、社会資本整備審議会建築分科会の建築環境部会(部会長:深尾精一・首都大学名誉教授)が19年1月にまとめた報告を踏まえた内容で、国会で成立すれば、省エネ基準適合義務化の対象拡大と建築士省エネ性能説明義務の規定については交付から2年以内、在宅トップランナー制度の対象拡大は半年以内に施行するようです。

(1)は90%以上の中規模建築物(非住宅)ですでに実施済なので特に問題はないかと思います。(3)に関しては、国による勧告・命令なので「大手ハウスメーカーはトップランナー以上の性能で建てなさい!」ということです。実際、大手の注文住宅はこのレベルは上回っているので問題はないと思いますが、建売分譲や賃貸アパートの場合は、「利回り重視」のものもあるので売り上げが鈍化するのは間違いないと思います。

(2)に関しては、もともと2020年から義務化される予定だったのが、「説明」が義務となったことで、その判断を建てられる方(建築主)に委ねることになったのです。実際、お施主様(建築主)がどんな家を建てるかはお施主様の自由ですし、その家の持つリスク(断熱だけじゃなくて耐震性やメンテナンスなども)をきちんと納得した上で契約したいというのは当たり前の心情です。義務付けがなくてもその家がどういう位置づけなのかきちんと説明はすべきであり、長くお付き合いするのであれば当然のことだと思います。

ただ、もちろん住宅自体の金額は上がるわけですからお施主様にとってみれば思った広さの家が建てられない、とか思ったような設備が入れられない、というところで夢をかなえられない可能性もあります。個人的には、寒い家というのは「ヒートテック」などの心配もありますし、もし法律が変わって義務化された場合、建物自体が「既存不適格」となり価値も下がってしまうので、お施主様の健康や資産などを考えるのであれば、省エネ義務化はしても良いとは思います。

日本では家に省エネルギー性能の最低基準がなかったため、無断熱の家でも合法で、夏は暑く・冬は寒い家がいくつも建てられています。環境意識が高まっている昨今、冬に暖房が必要となる国で無断熱で家が建つ国は先進国では日本ぐらいといっても過言ではありません。日本と世界を比べるとダントツで日本で起きる浴槽での溺死「ヒートショック」が多いのです。住宅先進国ドイツと比べると日本は17倍の「ヒートショック」が起きています。海外には浴槽に入る文化がないというのもあると思いますが…(^_^;)それを抜きにしても、この「ヒートショック」の死亡事故は交通事故の死亡者数よりも多いのです。南国といわれる鹿児島・宮崎でも「ヒートショック」の死亡事故は多く、逆に南国といわれる地域の方が死亡事故は多いのです。それだけ、日本は住宅性能・断熱に対する認識が少なかったのだと思われます。

説明義務ということで、設計者や建築会社側の考え方や説明次第で、お施主様の受け取り方も様々だと思います。お施主様との信頼関係の上で家づくりは成り立っています。家は人生で一番高い買い物です。「省エネ」に関しては補助金支援もああるので、10年後、20年後…も安心して暮らせる家づくりを、これからも提案していきたいと思います。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました(*^▽^*)

2019年法改正

2019年は「建築士法」「建築基準法」「建築物省エネ法」「バリアフリー法」と法制度の改正が目白押しです!!

以下の内容で、今後ブログを更新する予定です(*^-^*)

《建築士法》

・実務ゼロで受験可能に、建築士免許登録時の審査は厳格化

《建築基準法》

・木材利用を促進、耐火木造が16m超・4階以上に

・旧38条認定建物を救済、防火・避難規定が変わる

・進むか空き家対策、用途変更で200㎡以下は確認申請不要に

《バリアフリー法》

・ホテル・旅館の車椅子対応客室、1%以上を義務化

《建築物省エネ法》

・中規模非住宅に状エネ基準適合義務、適判手続きの簡素化も

消費税率の経過措置について

2019年10月1日より消費税が10%になります。今回は、その消費税率の経過措置について説明します(*^-^*)

原則、消費税率の適用は引渡しの時点で判断されます。2019年10月1日以降の引渡しの場合は、消費税率10%が適用となりますが、「注文住宅の請負契約」については、経過措置により、2019年3月31日までに契約を締結すれば、引き渡しが10月1日を過ぎたとしても消費税率8%が適用されるのです。

●消費税率の引上げ時期と経過措置について

しかし、経過措置指定日(2019年4月1日)以前に契約したとしても、仕様の変更や追加工事等で工事内容を変更した場合、変更部分には経過措置は適用されません。指定日以降に契約しても、引き渡しが10月1日前であれば消費税率は8%が適用されますが、天候等により工事が遅れ引渡しが10月1日以降となった場合、10%の消費税率が適用されます。こういった場合、増税分の負担について購入者とトラブルになる可能性があるので、事前にきちんと決めておく必要があります。

この時期に自宅のリフォームや新築などお考えの方は、施工会社との契約内容をしっかり確認し、トラブルにならないよう注意しましょう!!