「木造建築物」の法改正について

2018年(平成30年)6月27日に「建築基準法の一部を改正する法律」が公布されました。一部は3か月以内施行で2018年(平成30年)9月25日に「施行」されましたが、改正の大部分が1年以内の施行となっており、もうすぐ「施行」となります。

「建築基準法の一部を改正する法律」の概要

(施行の読みは「せこう」でも「しこう」でもOKです。土木・建築業界の方は「施工(せこう)」と同じ読みなので「しこう」という方が多いようです。)

改正の主旨は、

①建築物・市街地の安全性の確保

②既存建築ストックの活用

③木造建築をめぐる多様なニースへの対応

の3つです。

今までの改正は、災害や事件・事故に対応するため「強化」となる改正が多かったのですが、今回の改正は少子高齢化を背景とした既存建築ストックの活用のために「緩和」が主となっています。

この中で設計者にとって影響が大きいのが、一号建築物(法第6条第1項第一号の特殊建築物)の面積が100㎡から200㎡に引き上げられた改正ではないでしょうか!?

建築基準法制定以来68年間、特殊建築物(とっけん)といえば100㎡ということが常識となっていましたが、今回の改正で大きく緩和されます!しかも、一気に200㎡!!

また、大規模建築物の規制(法第21条)が大幅に見直しされたので、今まで「高さ13m超又は軒高9m超」の規制が「高さ16m超・階数4以上」となりました。「高さ13m超え16m以下」の大規模木造建築物はもうすぐ解禁ですね(*^▽^*)

現在「空き家」が増え続けているので、維持・管理に頭を悩ませている人も多いかと思います。今回の法改正で、「空き家」を改修して「グループホーム」や「宿泊施設」などへの用途変更がしやすくなりました。これを機に、計画してみるのも良いかもしれませんね。

 

2019年4月12日報道発表より

平成31年4月12日の国土交通省の報道発表資料より

大和ハウス工業㈱が供給した住宅の「防火基準」に不適合がみられると記載されていました。長崎県の物件はないようですが、独立基礎の不適合は愛知県が戸建住宅が377棟(うち住宅性能評価取得283棟)、共同住宅530棟(うち住宅性能評価取得2棟)と多いようです。

信頼して、安心・安全にと建てた家が不適合となった方々は、とてもショックを受けられたと思います。共同住宅に関しては4月中を目途に改修とありますが、不信感は残ってしまうでしょうね…住宅所有者の方への相談窓口などの記載もあったので、詳細はこちらをご覧ください。

報道発表資料(平成31年4月12日)

設計はもちろんですが、家を建てる際に行う「監理業務」には建物が図面通りに施工されているかを確認する業務があります。

家を建てた後に手抜き工事だった!!とならないためにも、「監理業務」も一緒に行うことをおすすめします(*^▽^*)

 

消費税率の引上げ(8%から10%)後の住宅取得の支援について

令和元年10月1日に予定されている消費税率の引上げ(8%から10%)に関して、住宅取得にメリットが出る支援策を紹介します。

1.住宅ローン減税

 控除期間が3年延長(建物購入価格の消費税2%分減税(最大))

 住宅ローン減税の詳細はこちらhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

 

2.すまい給付金

 給付額が最大50万円に(収入に応じて10万から40万円の増額)・対象者も拡充

 すまい給付金の詳細はこちらhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr4_000059.html

 

3.次世代住宅ポイント制度

 新築最大35万円相当、リフォーム最大30蔓延相当を付与する次世代住宅ポイント制度創設

 次世代住宅ポイント制度の詳細はこちらhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000170.html

 

4.住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置

 贈与税非課税枠は最大3000万円に拡大(現行最大1200万円)

 贈与税非課税措置の詳細はこちらhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html

 

これから住宅を購入もりくはリフォームを考えられている方は、参考にされて下さい(*^^)v

消費税率10%への引き上げ後の住宅取得にメリットが出る支援策(H31.4月)